日本消化器内視鏡学会雑誌
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症例
上部消化管内視鏡生検が診断の契機となった播種性糞線虫症の1例
榎本 祥吾林 大樹朗塩沢 昌大安部 太智山田 政伸牧野 成彦長谷川 一成竹内 真実子
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キーワード: 糞線虫症, HTLV-1
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2026 年 68 巻 7 号 p. 1297-1304

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抄録

糞線虫症はStrongyloides stercoralisによる消化管寄生虫感染症である.通常は無症状であるが,ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)重複感染患者や免疫抑制状態の患者では,播種性糞線虫症と呼ばれる病態となる.症例は63歳男性,肺癌に対し化学放射線療法を施行されていた.脱力を主訴に救急搬送され,敗血症性ショックとして抗菌薬治療を開始した.経過中に黒色便を認めたため,上部消化管内視鏡検査を施行した.十二指腸に浮腫状粘膜を認め生検を施行したところ糞線虫体を認めた.HTLV-1の重複感染や,抗癌剤の使用に伴う免疫抑制状態により糞線虫の過剰感染状態となっていると考えられた.播種性糞線虫症の診断でIvermectinの投与を開始後に状態が改善し,生存退院となった.

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