2026 年 68 巻 7 号 p. 1330-1338
近年,ESD後粘膜欠損部閉鎖にはクリップを用いた縫縮だけでなく,様々な創閉鎖・縫縮技術が報告されているが,未だ標準的な方法は確立していない.特に大きな粘膜欠損や,胃のような壁の厚い臓器では粘膜下ポケットの形成により不完全な閉鎖となることも少なくない.より強固な閉鎖を目指して,ナイロン糸を使用した閉鎖法も種々報告されており,われわれは特に糸の締め上げと確実な固定をすることに重きを置いた.「CLiPS(Clip with Line Pulley Securing)」法を報告した.CLiPS法は,ナイロン糸とクリップ,ならびに留置スネアなどを用いた固定具を組み合わせた方法であり,粘膜欠損の辺縁をクリップで把持し,糸を滑車状に牽引することで欠損縁を強固に接近させ,さらに固定具を使用することで確実に固定をさせる方法で,シングルチャンネルでかつスコープの出し入れなく行えるシンプルかつ効率的な手法である.本稿では,CLiPS法の手順やコツを解説する.