2026 年 68 巻 7 号 p. 1339-1349
【目的】壊疽性胆囊炎(gangrenous cholecystitis:GC)に対する治療は,一般には手術が第一選択であるが,併存疾患などにより手術が困難な症例も存在する.本研究では,手術困難なGCに対する内視鏡的経乳頭胆囊ドレナージ(endoscopic transpapillary gallbladder drainage:ETGBD)の実行可能性について評価した.
【方法】急性胆囊炎(acute cholecystitis:AC)に対するETGBDの治療成績について,後方視的にGC合併の有無で比較検討した.2019年1月から2023年7月の間に,単一の三次医療機関においてACに対しETGBDを施行した136例のうち,ETGBD前に造影CTが撮像されていた91人を解析対象とした.
【結果】患者は,CT所見に基づいてGC群(n=29)と非GC群(n=62)に割り付けられた.GC群と非GC群のETGBDの手技成功率,ACの臨床的成功率,早期有害事象発生率は,それぞれ86.2% vs. 91.9%(P=0.63),79.3% vs. 91.9%(P=0.17),27.6% vs. 16.1%(P=0.32)であった.GC群にて,手技成功率と臨床的成功率がやや低く,早期有害事象発生率が高かったが,両群間で有意差はなかった.後期有害事象発生率は,GC群で15.8%,非GC群で17.9%であり,差はなかった(P=0.87).GC群では待機的胆囊摘出術の施行頻度が有意に低かった(P=0.023).
【結論】ETGBDは手術困難なGCに対する実行可能な治療選択肢となりえる.