日本消化器内視鏡学会雑誌
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総説
潰瘍性大腸炎における内視鏡的活動性評価と縦断的モニタリング戦略
山口 純治 佐々木 誠人中村 正直
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2026 年 68 巻 8 号 p. 1385-1396

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抄録

潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:UC)において,粘膜治癒(mucosal healing:MH)は長期予後を規定する重要な治療目標として位置づけられている.MHの評価において内視鏡は最も直接的かつ信頼性の高い手段であり,これまでBaron indexやMatts分類から,Mayo endoscopic subscore(MES),Ulcerative Colitis Endoscopic Index of Severity(UCEIS)へと内視鏡的活動性スコアは発展してきた.MESは簡便性に優れる一方,MES 0と1の臨床的差異が問題となり,より精緻な炎症評価を目的としてUCEISが開発されたが,日常診療での運用には一定の制約も残されている.

近年は,内視鏡的粘膜治癒に加え,組織学的寛解を含めた「深い寛解(deep remission)」が注目されており,単回評価ではなく,内視鏡的・組織学的寛解を時間軸上で維持できているかどうかが再燃予測に重要であることが示されている.このような観点から,UCの治療評価は「点」ではなく「線」として捉える必要がある.

さらに,高解像度内視鏡や画像強調内視鏡,endocytoscopy,confocal laser endomicroscopyなどの次世代内視鏡技術に加え,AIによる自動スコアリングが進展し,観察者間差の低減やMES 0/1の鑑別支援など,実臨床での応用が現実化しつつある.今後は,AI解析と糞便中カルプロテクチンや血清LRGなどの非侵襲的バイオマーカーを統合したハイブリッド・モニタリングが重要になると考えられる.

本稿では,UCにおける内視鏡的活動性評価の変遷,粘膜治癒の定義と臨床的意義,組織学的寛解との関係,ならびにAIを含む次世代技術とモニタリング戦略について概説し,今後の個別化医療における内視鏡の役割を展望する.

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