2026 年 68 巻 9 号 p. 1554-1562
PEGのIntroducer変法は,感染や癌播種の予防に優れる反面,従来のバンパー型カテーテルでは挿入および抜去時の物理的抵抗や組織損傷が課題であった.本稿では,これらの課題を克服する次世代デバイスを用いた低侵襲な造設・交換手技について詳述する.本デバイスは,バンパーをゼラチンカプセル内に収納してストレート化する挿入機構と,抜去時に形状記憶ワイヤー(NiTiリング)を引き抜くことでバンパーをシリコーンの薄膜状に変化させる機構を有する.造設においては,一期的ダイレーターにより拡張手順を簡略化し,Peel-away構造のシースを介することで胃壁の軸ズレや損傷を防ぎ,カプセル化されたカテーテルを無抵抗で挿入できる.また交換においては,ワイヤーの除去により瘻孔壁を擦過しない愛護的な抜去が可能であり,専用のオブチュレーターとガイドワイヤーを用いた再挿入により誤挿入リスクを低減する.本システムは,挿入から交換に至る全プロセスにおいて瘻孔への侵襲を極小化する.術者の経験値への依存を減らして手技を標準化し,患者の苦痛軽減と医療安全の向上に大きく貢献する画期的な手法である.