日本消化器内視鏡学会雑誌
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内視鏡的萎縮境界とくに中間帯粘膜の形態と機能に関する臨床的研究
飯田 洋三
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1979 年 21 巻 2 号 p. 155-169

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抄録
慢性胃炎の進展に腺境界あるいは中間帯がどのような役割をもっているのかという問題を追求するため,内視鏡的Congored法の変色境界部に注目し検討を行った.すなわち内視鏡的Congored法を施行すると変色境界幽門側の小彎を中心にして黒色斑あるいは黒色点が散在することが認められ,本論文においてこれを島嶼状変色斑と呼び,組織学的,内視鏡的拡大観察,実体顕微観察を行った.病理組織学的にはこの変色斑は隣接する粘膜に比べて炎症所見がより軽度であって,組織学的に中間帯粘膜と判定されるものが50%あった.また変色斑の隣接粘膜においても44%が中間帯粘膜であった.また変色境界部の炎症は変色斑粘膜と比較してみても著しいことがうかがわれた.次に生検組織の実体顕微鏡観察を行い,胃小窩中間帯模様(FIP)と判断したものの62.3%が組織学的には中間帯粘膜であり,逆に組織学的に中間帯粘膜の44.2%がFIP像を示した.さらに切除胃による検討を行ったところFIPと中間帯の関連がより明らかになるとともに,FIP領域では組織学的に炎症がとくに著しく,腺境界部はまさに萎縮の拡大の最前線と考えられた.そして内視鏡的には島嶼状変色斑が分布する範囲を内視鏡的中間帯として認識することが適当であると結論した.
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