抄録
総胆管が十二指腸に終らず,高位で膵管に終る膵胆管合流異常症が最近先天性胆道拡張症との関連において注目されている.著者らは内視鏡的逆行性膵胆管造影法で診断することの出来た10例の膵胆管合流異常症の臨床症状,検査成績,X線所見につき検討した.臨床症状では上腹部痛を訴えた者が10例中9例に認められた.検査成績では血清アルカリフォスファターゼ値の上昇が高率に見られた.X線像では共通管の長さは15~30mmと延長し,その平均は19.1mmであった.総胆管の拡張は10例中8例80%に見られたが,全く拡張の見られない症例が1例あり,肝外胆管癌の1例では逆に狭窄が見られた.総胆管の高度拡張は5例に見られ3例はごく軽度の拡張であった.本症と先天性胆道拡張症との関連については更に症例を重ねた検討が必要と思われた.本症の治療法についても現在定説はなく今後の検討が必要と考えられた.