日本消化器内視鏡学会雑誌
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抗生物質投与による大腸炎,とくに内視鏡所見について
佐々木 道子浜田 義之小田原 満渡辺 正俊青山 栄藤田 潔針間 喬犬童 伸行竹本 忠良
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1979 年 21 巻 2 号 p. 208-217_1

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抄録
抗生物質による腸炎の6例を報告した.原因と考えられる抗生物質は,Ampicillin(症例1,3,4,5)Cephalexin(症例2,6)であるが,その他にも,多くの抗生物質が,腸炎を惹起しうる.臨床症状としては,下痢・下腹部痛・血性便を訴えるものが多かった.糞便検査では,特に異常を認めなかった.大腸内視鏡検査では,全例に変化を認め,6例中3例にアフタ様大腸炎の像をみたが,偽膜を形成したものは,1例もなかった.注腸X線検査では,検査を施行した5例中3例に,リンパ濾胞の増殖を思わせる小円形透亮像を認めた.補助診断として行ったリンパ球刺激試験では,1例で,原因と考えられる抗生物質に対する過敏性を示した.発症後は,抗生物質の使用を中止し,対症療法を行った.全例で,予後は良好であった. 抗生物質を使用する場合には,その副作用としての大腸炎の発生を念頭におき,それが疑われる場合には,すみやかに抗生物質の使用を中止し,できるだけ早期に,大腸内視鏡検査を施行することが必要である.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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