抄録
胃体上部大彎の生検組織において,星子の方法を一部改め壁細胞数を計測し,吻合部潰瘍と潰瘍のない残胃を比較した.吻合部潰瘍をもっ残胃と潰瘍のない残胃では壁細胞の数および機能に著しい差が認められた.すなわち吻合部潰瘍例の壁細胞数は正常胃粘膜の細胞数および術前胃の壁細胞数と同じ値を示すが,吻合部潰瘍のない残胃においては有意の差をもって減少が認められた.また,腺全体の壁細胞数をあらわす補正壁細胞数で両者の差はより明確に現れた.また,壁細胞の機能に関しては統計学的に明らかではないが,両者の間に差があることが推定された.