日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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幽門前庭部病変,特に潰瘍合併病変について
恒次 恭子小川 欽治清水 一良前川 高天梶谷 幸夫粉川 皓仲疋田 義太郎小泉 欣也工藤 昂安冨 徹
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1979 年 21 巻 8 号 p. 963-973

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抄録
国立京都病院での5年間の内視鏡検査3141例を検討した.(1)全胃病変のAntrum出現率は12.9%であった..良性潰瘍,胃癌,ポリープのAntrum出現率は各々4.4%,40.4%,72.1%であった.(2)Antrumでは癌が35.6%,ポリープが35.0%認められ,良性潰揚は18.8%であった.(3)Antrumの潰瘍性病変は良性と悪性の比が2:3であった.(4)Antrumの良性潰瘍は35.7%が多発性であった.(5)良性潰瘍の約80%が腹痛で初発していた.(6)良性多発潰瘍の正診率は初回レ線では44%,胃ファイバースコープで83.3%であった.(7)Antrumの良性単発潰瘍の成因に全身疾患あるいは投薬が関与していることが示唆された.(8)4点生検法で腸上皮化生の広がりをみると,Antrum良性潰瘍の93%が非化生型に生じていた.Antrum悪性潰瘍は腸上皮化生と特に密接な関係があった.(9)Antrum良性潰瘍の切除10例中単発潰瘍2例はChannelulcerと同じ組織像を示し,6例は急性多発性潰瘍の特徴を有した.残り2例は慢性消化性潰瘍と同じ組織学的特徴を示した.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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