15歳未満の小児に対し,3年10ヵ月の間に,30例57回の上下部消下管内視鏡検査を施行した.上部消化管内視鏡検査を男子16例,女子6例,下部消化管内視鏡検査を男子3例,女子5例に行なった.年齢は生後6ヵ月より14歳の30例で,10歳以上では,1例をのぞき,すべて咽頭麻酔を施行し,10歳以下は9例のうち6例に全身麻酔を施行した.使用器種は,上部消化管に対しては,上部消化管用パンエンドスコープ。(Glr-P2,GIF-P)を主として用い,下部消化管に対しては,直腸鏡を主として用い,CF-MB2も2例に施行した.小児の30例の内視鏡検査の有所見例は,上部消化管例では,十二指腸潰瘍5例,異物3例,食道狭窄2例,胃潰瘍1例であった.下部消化管例では,潰瘍性大腸炎1例,若年性ポリープ1例であった.若年性ポリープの例は,術中内視鏡的ポリペクトミーを施行した.以上,小児の消化管内視鏡検査は有用であり,適応を選んで,積極的に施行されるべきである.
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