日本消化器内視鏡学会雑誌
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Cronkhite-Canada症候群の1症例と文献的考察
内田 純一加納 俊彦星加 和徳久本 信実伏見 章石原 健二茎田 祥三木原 彊
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1980 年 22 巻 1 号 p. 67-75_1

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抄録
Cronkhite-Canada症候群は本邦においては欧米に比較し報告例が多く1977年までに32症例報告されている.著者らは同症候群の1例について上部消化管の内視鏡像と臨床像について報告し文献的考察を加えた. 症例は61歳男子で主訴は味覚異常,爪の変形,倦怠感.5年前に同症状あり胃ポリポージスと診断され胃切除を受け,その直後にすべての爪甲が変性,脱落している.身体的所見で脱毛,皮膚色素沈着,爪の変形を認め,臨床検査では鉄欠乏性貧血,ラクターゼ欠乏,内因子の欠乏によるV.B12の吸収低下をみたが,Gordon試験や他の吸収試験は正常であった.上部消化管内視鏡検査で残胃のポリープス,十二指腸ポリポーシスを認め,メチレンブルー散布にてポリ,.一.プは着色せず,隆起のない粘膜のみが,正常例と同じ程度に着色した.ポリ._プの生検では絨毛の平坦化,腺腔の嚢胞状拡張,腺細胞の粘液産生分泌の亢進を認め,間質の浮腫をみた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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