日本消化器内視鏡学会雑誌
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内視鏡的ポリペクトミーを行った小児Juvenile Polypの1例
渡辺 能行尾崎 正行奥田 宗久島本 和彦増山 晴幸奥田 忠美多田 正大
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1980 年 22 巻 11 号 p. 1597-1600_1

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抄録
最近,われわれは,全身麻酔下で内視鏡的ポリペクトミーを行なった小児Juvenile Polypの1例を経験した.症例は7歳の女児で著明な貧血を伴なう下血にて来院した.メッケル憩室あるいは結腸ポリープよりの出血を疑い,小児のため全身麻酔下で大腸内視鏡検査を行なった.Bauhin弁より約5cm肛門側の上行結腸に出血源と思われる有茎性ポリープを認め,内視鏡的ポリペクトミーを施行した.切除ポリープは,組織学的所見よりJuvenile Polypと診断された.ポリペクトミー後,合併症もなく経過し,貧血も改善した.本症に対する治療法として,S状結腸以深では開腹術が主に行なわれてきたが,大量下血をきたし,急性貧血を呈する幼児の場合,早期に内視鏡検査を施行し,診断を確定し,同時に積極的に内視鏡的ポリペクトミーを行なうべきものと考える.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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