十二指腸ファイバースコープを用いて,直視下に乳頭挿管し,secretin刺激後30分間に亙り,10分毎に分画採取した純粋膵液にっき,液量,蛋白濃度,amylase濃度及びoutput,重炭酸塩濃度などを測定し,膵機能検査を行い,ERCPによる膵管像と比較検討した.ERCPで高度膵炎と診断された例,膵頭部癌例において,各分画の液量,総液量とも著明に低下を示した.最高重炭酸塩濃度も高度膵炎例において,低値をとる傾向を示した.10分分画におけるamylase濃度,output及び総amylase outputは,ERCPにより輕度膵炎と診断された例において,明らかに高値を示した.このことは,膵障害の進展において,まず過分泌の状態が起こり,その後次第に外分泌の低下に到ることと符号すると考えられる.
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