日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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小腸内視鏡による小腸病変の検討
第1部:小腸粗大病変の検討
朝倉 均森下 鉄夫三浦 総一郎神谷 利明北洞 哲治相磯 貞和土屋 雅春
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1980 年 22 巻 12 号 p. 1761-1769

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抄録

 小腸病変の内視鏡像を明らかにするため,小腸内視鏡SIF-B型を用いて52症例の空腸をpush方式で検討した.対象症例は,小腸肉腫3例,小腸ポリープ3例,原発性または続発性免疫不全症10例,蛋白漏出性胃腸症8例,コレラ症8例,その他症例20例であった.Treitz靱帯をこえた空腸への挿入率は93%で,粗大病変は,空回腸にわたる細網肉腫1例,分類不能の空腸肉腫1例,十二指腸第III~IV部の平滑筋肉腫1例,小腸ポリープ3例,空腸リンパ濾胞増殖症3例,a-chain病1例の計10例にみられた.空腸などの散布性白点や白色絨毛は蛋白漏出性胃腸症8例とその他疾患5例に認めた.コレラ症では,びらん・発赤・浮腫・過分泌像などがみられた.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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