抄録
最近,著者らは特異な形態を示した大腸炎の1症例を経験した.症例は55歳の男性で,下血を主訴として入院した.注腸X線検査および大腸内視鏡検査を行なったところ,下部大腸にタコイボ様の隆起性病変をびまん性に認めた.経過は良好であり,特別な治療を行うことなく約2ヵ月後には軽快した. 本症例は,局所形態が既知の疾患とは異なっているが,その他の点ではアフタ様大腸炎または大腸リンパ濾胞増殖症との類似も認められるため,これらの疾患との異同を中心に考察を加え報告した.そして,特異的な局所形態を強調し,本症例をタコイボ状大腸炎と仮称して記載した.