日本消化器内視鏡学会雑誌
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化学療法中脱落を来たした胃癌(BorrmannI型)の1症例
河田 耕一福士 道夫伊藤 愛一郎佐々木 義樓金沢 鉄男
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1980 年 22 巻 7 号 p. 951-957_1

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抄録
化学療法中に脱落を来たした隆起型胃癌の1症例を経験した.症例は70歳女性,主訴,上腹部不快感.初診昭和53年8月3日,当科外来にて胃X線検査施行,胃前庭部に45×35mmの陰影欠損を認めた.胃内視鏡検査にて前庭部大彎に巨大腫瘤を認め,BorrmannI型胃癌(乳頭状腺癌)と診断し,53年8月9日当科に入院した・手術拒否の為,化学療法(MFC+5-FUD.S.)施行.腫瘍の変形縮小および症状の改善を認め,53年12月7日退院外来治療中54年1月12日,上腹:部激痛を認め再入院。胃X線検査,胃内視鏡検査施行,胃前庭部に腫瘍を認めず,脱落消失と考えた.痕跡部生検では,壊死組織と癌細胞を認めた.MFC療法2回施行するも,著明な貧血,食思不振をみとめ輸血および対症療法を施行,全身状態の改善を認め,54年5月14日退院昭和54年12月現在外来通院中である.本症例の脱落の主因として化学療法による腫瘍基部の壊死化および部位的因子が関与するものと考えられた.
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