抄録
ヒト胃粘膜の腸上皮化生を走査電顕により観察し,その所見をmicrovilliの高さおよびその分布によって4つのTypeに分類し,メチレンブルーの吸収能およびALP,LAPの酵素活性と比較した.microvilliの高さおよびその分布の均一なものをType1に,一部の細胞のmicrovilliの高さが他の細胞に比較して差異の認められるものをType2に,microvilliの分配の疎な細胞が所々に認められるものType3に,またそういう細胞が比較的広範囲にみられるものをType4に分類した.microvilliの均一なType1,Type2においてメチレンブルー吸収能の高いものが多く,microvilliの不均一なType3,Type4においてはメチレンブルーの吸収能の低いものが多い.また,Type1,Type2には完全腸上皮化生が多く,Type3,Type4には不完全型腸上皮化生が多かった.