日本消化器内視鏡学会雑誌
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試作した肝生検針の有用性
関谷 千尋矢崎 康幸高橋 篤小野 稔並木 正義
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1981 年 23 巻 11 号 p. 1536-1542

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抄録
われわれは安全確実に肝組織片の採取ができ,かつ十分な止血対策をほどこし得るdisposableな肝生検針を試作し, 521例について検討したところ満足すべき結果を得た.すなわち,この針は操作が簡単なだけでなく,その構造上肝実質が逃がれることなく切り取られるため,初心者でも容易に1回で十分な組織片を採取できた.しかも,外径が細いので組織のむだな損傷が少なく,出血量も少ないうえに止血対策として8%アルギン酸ソーダ液を注入できるようになっているため,止血効果を一層高めろことができた.われわれの成績は従来の報告に比べ,生検成功率においても出血事故率に関してもきわめてすぐれたものであった.なお,この生検針がdisposableである点は,肝炎予防の面からも望ましいことと思われる.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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