日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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内視鏡的に確診しえた小さな総胆管癌の一例
児玉 正辻 賢二加藤 隆弘福田 新一郎内藤 英二布施 好信岡田 勝弘須藤 洋昌橋本 睦弘中島 正継郡 大裕加藤 元一徳田 一
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1981 年 23 巻 11 号 p. 1566-1570_1

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抄録
右季肋部痛を主訴とした66歳の女性.経静脈胆嚢・胆道造形(DIC),内視鏡的逆行性胆管造影(ERC)にて総胆管腫瘍を疑がった.さらに詳細な所見を得るため内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)後,スライディングチューブ方式の経口的胆管ファイバー(PCS)を経十二指腸的に挿入した.同検査では管腔の約%周を占める表面軽度凹凸を有する腫瘤の内視鏡的観察が可能であった.さらに胆管ファイバー直視下に施行した生検組織で高分化系膜癌の像が得られた.手術時,総胆管に13×13×6mm大の腫瘤を認めたが,総胆管周囲,膵への浸潤はみられなかった.組織学的には一部で胆管壁全層への浸潤がみられた高分化型腺癌であった.周囲リンパ節への転移はみられなかった.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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