日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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新型腹腔鏡装置の検討(第2報)
―拡大腹腔鏡の有用性について―
大竹 寛雄原田 英治田中 慧高橋 慶一岡田 吉博児玉 龍彦小町谷 恭平大林 明原 義雄
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1981 年 23 巻 7 号 p. 921-931

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抄録
 著者らは,硬性鏡の腹腔鏡装置としては初めて撮影装置に自動露出機構を内蔵したオリンパス製体外発光型腹腔鏡装置を用いて187例の腹腔鏡検査を行ない,その性能と有用性について検討を加えた. 35mmカメラへの自動露出機構の導入と,約25μmの大きさまでの解像力を備えた拡大腹腔鏡の開発によって,肝表面小葉単位の微細観察と35mmフィルム枠いっぱいの大画面の写真撮影が容易に行なえるようになり,腹腔鏡所見と病理組織所見のより詳細な対比検討ができるようになった.そしてフィルム面上での実測値から換算した肝表面の微細計測は,腹腔鏡所見を一層客観化することに役立っている. 従来より問題点として指摘されていた近接撮影における解像力の不充分さと黄色調の強調された色調はほぼ解決され,本装置の性能は飛躍的に向上した. 今後さらに改良を加え,少なくとも10倍程度の拡大率とズーム機構を備えた拡大腹腔鏡の開発が切望される次第である.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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