抄録
犬の食道壁,胃壁へのNd:YAGレーザー照射により,その照射効果は両者で差がみられ,胃壁が粘膜面側より変性が始じまるのに対し,食道では筋層より変性が始じまり粘膜,粘膜下層へと広がる.しかし同一出力,時間でも照射角度90度の場合より照射角度の少ない方が粘膜側に変性をおこさせ得る.照射直後の内視鏡像より白色膨隆,白色陥凹,炭化潰瘍に分類すると白色陥凹は粘膜下層の一部,炭化潰瘍は筋層まで不可逆性の変性をおこさせ,内視鏡像で変性深達度の推定が可能と思われる.人食道の上皮内癌に対してToluidine Blue撒布後照射の方が変性の程度が強がったが,照射により白色膨隆をつくることで照射部の上皮内癌の消失が確実に得られた.また食道胃接合部のポリープの照射治療例を2例呈示した.