抄録
ヒト肝細胞癌,ラット実験肝癌に,出力300mW,488nmのアルゴンレーザー光を照射し,520nm以上の波長を選択的に透過させるフィルターを通して観察を行なったところ,癌の部分に黄色の固有螢光を認めた.ヒト肝細胞癌では,特に螢光の強い部分と,全く螢光の認めない部分を認めた.普通光による観察では.前者は白黄色の癌部であり,後者は黒色の壊死部に相当した.一方,ラット肝癌では癌部に一致して,黄色の固有螢光をほぼ均一に認めた.普通光による観察では,肝癌の部位は均質な白色の腫瘍として認められた.この現象は肝被膜および割面ともに,同様に観察された.本法は肝癌の腹腔鏡診断の補助的手法として極めて有効な方法になりうると希望が持たれた.