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宮本 二郎
1982 年24 巻2 号 p.
193-203
発行日: 1982/02/26
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
胃癌の血管像は正常像と異なり,胃癌特有の血管構築を有している.そのため腫瘍内血流動態の微小循環学的把握は,胃癌対策上,重要な基礎的課題である.今回は胃癌患者67例を対象にし,胃癌周辺正常粘膜部,胃癌辺縁部,および胃癌中心部の血流量を内視鏡的水素クリアランス式組織血流測定法を用いてそれぞれ測定した.そして以下の結論を得た.(1)進行胃癌においては,周辺正常部より癌周堤部血流量の方が多く,また癌周堤部に比べ潰瘍部の血流は有意に低値を示した.(2)進行癌ではBorrmann1型,2型の方が,3型,4型より癌周堤部血流量は多い傾向にあった.(3)進行癌の組織型を分化型癌,未分化型癌,粘液細胞型癌に分けると,分化型癌の方が他ご者より癌部血流量は多い傾向があった.(4)早期癌においては癌辺縁部,中心部で血流値に大きな差はみられなかったが,周辺正常部に比べると癌部の血流の方が多い傾向は認められた.特にI型,IIa型早期癌では周辺正常部に比べ有意に癌部の血流は多かった.(5)早期癌の組織型別検討では,血流値にはっきりした傾向は認められなかった.(6)癌患者の年齢,癌の存在部位による血流値の差は見いだされなかった.
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Chuan-Pau Siauw
1982 年24 巻2 号 p.
204-217
発行日: 1982/02/26
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
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多田 正弘, 飯田 洋三, 竹内 憲, 原田 元, 佐高 万里雄, 斉藤 満, 小田原 満, 榊 信広, 沖田 極, 岡崎 幸紀, 竹本 忠 ...
1982 年24 巻2 号 p.
218-222_1
発行日: 1982/02/26
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
胃粘膜腸上皮化生の吸収機能について,電顕的にmicrovilliの観察,および脂肪負荷後その生検組織を用いて検討した. 腸上皮化生粘膜のmicrovilliをその底部より頂部にかけて観察してみると,底部より頂部にかけてmaturationが認められた.また,不完全型腸上皮化生においては,未熟なmicrovilliのしめる部分の広いことが観察された. また,2.0gのオレイン酸を負荷後,1時間して内視鏡検査を施行し,その生検組織凍結切片を作製し,ALP染色Sudam III染色を施行した. ALP(-),LAP(+)の不完全型腸上皮化生においても脂肪の吸収を認め,ALP染色で陽性に認められる領域より広い範囲に,脂肪吸収の範囲を認めた.
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大井田 正人, 岡田 信之, 勝又 伴栄, 西元寺 克礼, 岡部 治弥
1982 年24 巻2 号 p.
225-233_1
発行日: 1982/02/26
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
1980年,M.Classenらは直径5mmのゴム円盤を経内視鏡的に胃潰瘍内またはその近傍におき,うつされた写真のゴム円盤と潰瘍との面積比から胃潰瘍の面積を算出する一新方法を口演発表した.著者らは,その口演抄録にヒントをえてその方法について基礎的検討を進めた結果,M.Classenらの方法論そのままでは内視鏡レンズの光学的歪曲率を考慮していないため,内視鏡の機種および被写体との撮影距離によって真の面積との誤差が大きく,そのままでは応用出来ない事が判明した.今回,著者らが使用した機種はオリンパス製GTF-B
100とGIF-P
2であるが,前者では被写体との距離(Lens-Object-Distance:以下LODと略称す.)3cm未満,後者では5cm未満ではM.Classenらの方法は使用できない.その補正方法として方眼紙を内視鏡にて撮影しレンズの歪曲性を面でとらえた透明計測板を創案作製した.これを潰瘍の内視鏡写真に重ねて面積測定すると,LODの遠近にかかわらずその誤差率は1割以下とする事が可能となった.これら透明計測板を内視鏡の機種およびLODに応じて使いわける事により,従来本質的に不可能と考えられていた内視鏡的潰瘍面積測定がほぼ正確に行える様になった.本法は,今後潰瘍の治癒縮小過程のより細かな分析を初め潰瘍の治癒効果判定等に関しての臨床研究に極めて有力な武器となる事が期待される.
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II―臨床応用の実際とその治療成績
平尾 雅紀, 小林 多加志, 升田 和比古, 山口 修史, 納田 幸一, 松浦 侯夫, 篠島 文隆, 仲 紘嗣, 河内 秀希, 佐藤 富士夫
1982 年24 巻2 号 p.
234-243
発行日: 1982/02/26
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
上部消化管出血に対して,内視鏡的高張Na-Epinephrine液局注療法を1978年10月より行なってきた.緊急内視鏡検査で出血中の47例に本療法を行なった.疾患として胃潰瘍28例,吻合部潰瘍6例,十二指腸潰瘍4例,胃手術後4例,胃癌3例,マロリーワイス症候群2例である.重篤な全身合併症の保有率は60%であった.出血時の血清Hematocrit値と輪血量の間に負の相関を示し,出血時のHematocrit値が判明すれば,その後の必要輸血量の推定が可能である.出血型分類として,動脈型,湧出型および凝血付着型とした.われわれは独自の止血効果判定規準を設定した.その止血効果は永久効果85.1%,一時的効果10.6%,無効4.3%であった.再出血対策として予防的HS-E局注療法を考案導入し,その治療成績の向上に努めている.以上より本療法は手技が簡単であり,薬剤,器機も高価なものを必要とせず,普遍性のある治療法と思われる.
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福家 博史, 秋山 俊夫
1982 年24 巻2 号 p.
245-250
発行日: 1982/02/26
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
胃粘膜表層には粘液を持った腺窩上皮細胞が並び,胃液の消化に対するmucous barrierを形成している,胃粘膜に腸上皮化生が発生すると腺窩上皮細胞は消失する.胃粘膜の腸上皮化生の部位に潰瘍が発生し易いか否かを検討した. 胃潰瘍周辺より採取した直視下生検標本について,潰瘍の口側と肛門側,潰瘍より前壁および後壁側に2cm離れた場所と潰瘍辺縁活動期と瘢痕期平均年齢が同じ初発潰瘍群と再発潰瘍群,これらを比べると,いづれも後者に腸上皮化生は著明であった.胃潰瘍で切除された胃について,テステープ法により,腸上皮化生と潰瘍との位置関係をみた.胃潰瘍を持った胃の腸上皮化生は,潰瘍のない胃と同様に前庭部より進展し,潰瘍は腸上皮化生の口側境界部に存在するものが多かった.これらの結果より,腸上皮化生の中に潰瘍が発生し易いことはなく,潰瘍のために腸上皮化生の進展が促進された結果を得た.
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山本 和秀, 石川 哲, 迫田 秀治, 大村 晃一, 山本 武彦, 有正 修道, 小林 敏成, 神野 健二
1982 年24 巻2 号 p.
251-257
発行日: 1982/02/26
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
腹腔鏡検査において,肝表面変化をより詳細に把握する目的で,ヒト及びラット肝の色素注入標本及び血管鋳型標本を作成し,肝表面微細血管構策について検討した. ヒト肝表面には,門脈枝である長さ0.5~3mmの樹枝状血管が約1~2mm間隔で規則正しく配列していた.樹枝状血管相互間には,類洞が複雑な網目構造を形成しながら求心性に集合し,小葉紋理を形成していた.小葉中心部は類洞の集合として観察されることが多く,中心静脈は表面直下に存在していた. 一方,ラット肝表面にも小葉構造が観察されたが,門脈枝は不明で,小葉中心部にY字状あるいは直線状の中心静脈が観察され,ヒト肝表面と異なる血管分布を示していた.
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神津 照雄, 久賀 克也, 高橋 敏信, 谷口 徹志, 荻野 幸伸, 円山 正博, 山崎 義和, 谷 ロベルト・ダニエル, 平沢 博之, 小 ...
1982 年24 巻2 号 p.
258-264_1
発行日: 1982/02/26
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
犬の食道壁,胃壁へのNd:YAGレーザー照射により,その照射効果は両者で差がみられ,胃壁が粘膜面側より変性が始じまるのに対し,食道では筋層より変性が始じまり粘膜,粘膜下層へと広がる.しかし同一出力,時間でも照射角度90度の場合より照射角度の少ない方が粘膜側に変性をおこさせ得る.照射直後の内視鏡像より白色膨隆,白色陥凹,炭化潰瘍に分類すると白色陥凹は粘膜下層の一部,炭化潰瘍は筋層まで不可逆性の変性をおこさせ,内視鏡像で変性深達度の推定が可能と思われる.人食道の上皮内癌に対してToluidine Blue撒布後照射の方が変性の程度が強がったが,照射により白色膨隆をつくることで照射部の上皮内癌の消失が確実に得られた.また食道胃接合部のポリープの照射治療例を2例呈示した.
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井戸 健一, 酒井 秀朗, 堀口 正彦, 木村 健, 広田 紀男, 加藤 大典
1982 年24 巻2 号 p.
265-268_1
発行日: 1982/02/26
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
ヒト肝細胞癌,ラット実験肝癌に,出力300mW,488nmのアルゴンレーザー光を照射し,520nm以上の波長を選択的に透過させるフィルターを通して観察を行なったところ,癌の部分に黄色の固有螢光を認めた.ヒト肝細胞癌では,特に螢光の強い部分と,全く螢光の認めない部分を認めた.普通光による観察では.前者は白黄色の癌部であり,後者は黒色の壊死部に相当した.一方,ラット肝癌では癌部に一致して,黄色の固有螢光をほぼ均一に認めた.普通光による観察では,肝癌の部位は均質な白色の腫瘍として認められた.この現象は肝被膜および割面ともに,同様に観察された.本法は肝癌の腹腔鏡診断の補助的手法として極めて有効な方法になりうると希望が持たれた.
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岩越 一彦, 岡 博行, 山本 克夫, 水田 静雄, 浅田 修二, 李 法中, 正宗 研, 大柴 三郎
1982 年24 巻2 号 p.
269-275_1
発行日: 1982/02/26
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
大腸ファイバースコープ検査時の被検者の苦痛を軽減する目的で,細径大腸ファイバースコープを試作した.試作スコープは2機種あり,共に外径6.1mmと極めて細く,先端に金属性のオリーブ形のフードを取り付けた.両機種の異なる点は先端アングル角度にある.1号機(CF-6a)は60゜で,2号機(CF-6b)は,120゜である.両機種共にスコープを細くする目的のため生検機構は装備されていない. 使用成績は,両機種共に,被検者の苦痛を軽減することに関しては満足すべき結果が得られた.また,深部大湯への挿入率はCF-6bがCF-6aに比して良好な成績を得たが,盲腸まで挿入できた症例は両機種共にそれぞれ1例で,十分ではなかった.今後機種の改良とsliding tubeの併用によって,深部挿入率の向上を計り,できれば逆行性回腸鏡への展開を期待するものである.
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福嶋 弘道, 早田 正典, 本田 昇司, 松永 研一, 赤司 文広, 中村 憲章, 牧山 和也, 原 耕平, 森 宣, 林 邦昭, 二川 栄 ...
1982 年24 巻2 号 p.
276-281_1
発行日: 1982/02/26
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
大動脈裂孔を経て後縦隔に進展し,食道狭窄をきたした膵仮性嚢胞の1例を経験した.症例は,45歳,男性.焼酎2合/日,20年間のアルコール歴があり,3年前より慢性膵炎の診断をうけていた.今回は,嚥下困難を主訴として来院し,上部消化管造影および食道内視鏡にて,食道下部の右後方からの圧排による狭窄が認められた.後縦隔洞腫瘍を疑ってComputed Tomographyを施行したところ,胸部下部の断面でenhance効果を有する壁に囲まれた嚢胞性病変を認め,食道および心臓を圧排していた.さらに嚢胞性病変は,腫大した膵体尾部へと続いていた.腹部超音波検査では,膵体尾部の嚢胞性病変が上後方へ進展し,胸部大動脈の前方より縦隔内の心臓の後方へと連続していた.以上より,後縦隔へ進展して食道狭窄をきたした膵仮性嚢胞と診断し,嚢胞空腸吻合術を施行した.本例では,CTおよびUSが,この術前診断に有用と考えられた.
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冬広 雄一, 曾和 融生, 加藤 保之, 樽谷 英二, 北村 輝夫, 高井 敏昭, 藤本 泰久, 吉川 和彦, 西脇 英樹, 中尾 昭治, ...
1982 年24 巻2 号 p.
282-290_1
発行日: 1982/02/26
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
残胃穹隆部にみられたI型早期癌の1例を報告した.症例は56歳男性で,幽門部後壁のIIa+IIcの早期胃癌にて胃亜全摘を受け,術後3年目の残胃穹隆部にI型早期癌が発見され治癒切除し得た早期胃癌症例であった.一般に,残胃病変の観察はむつかしく,良性疾患術後の残胃癌においても進行癌として発見される場合が多く,残胃早期癌の報告は少ない.早期癌においては多発病変を伴う頻度が高い傾向にあることから,胃部分切除後の残胃の厳密な検索を行なうことの必要性を痛感し,特に内視鏡による観察の重要性を強調した.
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原口 靖昭, 吉田 隆亮, 勝屋 弘明, 古賀 孝
1982 年24 巻2 号 p.
293-299_1
発行日: 1982/02/26
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
悪性腫瘍は今や,医療上最も重要な課題の一つであるが,近年,その中でも重複悪性腫瘍が増加している.今回,われわれは食道の腺扁平上皮癌,胃の高分化腺癌,肺の扁平上皮癌,小細胞癌を同時に合併した極めてまれな同時性四重複癌の症例を経験した. 1974年から1978年の5年間の病理剖検輯報によると二重複悪性腫瘍の頻度は3.4~4.5%で,年々増加の傾向にあり,また四重複悪性腫瘍は年間1~5例であった.重複悪性腫瘍は男性の60~80歳に多い傾向にあり,臓器別には,胃,肺,甲状腺に多い傾向を示した.
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丹羽 寛文, 一瀬 雅夫, 半井 英夫, 平山 洋二
1982 年24 巻2 号 p.
300-308_1
発行日: 1982/02/26
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
Double pylorusは,かなり稀な疾患であるが,著者らは最近41歳男性の症例を経験し,内視鏡的に2年間にわたり,その経過を追求し得た.経過観察中,開口部の胃側,十二指腸側に,それぞれ潰瘍を認め,これらの潰瘍は,かなりの消長を示した.本症の発生要因としての潰瘍の意義を別にしても,この部位に潰瘍を認める事は臨床上重要な事と思われる.Double pylorusの診断及び合併する潰瘍の観察には,細径パンエンドスコープを用いての十二指腸球部内での反転観察が,十二腸側からの開口部の確認に有用であり,本症の診断にあたっては,必らず試みるべき方法であると思われた.著者らの報告を加えて,現在までの報告例93例について若干の検討を加えてみた.
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浅田 耕造, 恩地 森一, 山下 善正, 岡田 真一, 森野 通広, 金岡 光雄, 太田 康幸
1982 年24 巻2 号 p.
309-315
発行日: 1982/02/26
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
慢性肝炎の臨床診断のもと,腹腔鏡検査を施行した際,偶然胆嚢内側上部に副肝を認め,また主肝の肝生検組織検査で,胆管嚢胞を認めた28歳の男子症例を経験したのでその概要を報告し,過去80年間の本邦における文献報告例20例と合わせて,臨床集計を行なった成績について報告した.
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今村 哲理, 別役 孝, 井林 淳, 石川 邦嗣
1982 年24 巻2 号 p.
316-322_1
発行日: 1982/02/26
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
大腸結核を合併した癌は,本邦では,これまで20例の報告例があるに過ぎない. 上行結腸・盲腸癌に腸結核が合併した1例を報告した. 患者は74歳の女性で,回盲部腫瘤・疼痛を主訴として,1978年10月30日当院に入院した.胸部X線写真上,右上肺野に石灰化像を認めた.糞便及び病変部の生検組織の結核菌培養は陰性であった.注腸X線検査所見・大腸内視鏡検査所見(生検も含め)から,上行結腸・盲腸の悪性Villous tumorと診断した. 手術標本は,肉眼的には,大きさ10.5×7.8cmで,表面はVillous様を示した. 組織学的には表面はvillous~tubulo-villous,深部は高分化腺癌で,癌と近接して,腸癌には,ラングハンス巨細胞,類上皮細胞,リンパ球から成る数個の肉芽腫を認め,更に,リンパ節にも乾酪巣を有する同様の肉芽腫が見られたため,大腸癌・陳旧性腸結核例と考えた.
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蜂谷 勉, 小味淵 智雄, 樋口 拓, 友野 尚美, 福山 隆之, 桂 邦夫, 大崎 往夫, 岡本 暢夫, 清水 達夫, 中嶋 健一, 粟根 ...
1982 年24 巻2 号 p.
325-329_1
発行日: 1982/02/26
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
27歳の女性で,下血を主訴として来院し,その経過中に肛門より奇形腫を排出した.手術にてS状結腸に穿通した卵巣奇形腫を確認し,排出した奇形腫はその一部分と考えられた極めて稀な症例を経験したので,本邦での報告例を整理し,文献的考案を加えて報告する.
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藤田 潔, 渡辺 正俊, 針間 喬, 内田 善仁, 河野 裕, 藤川 佳範, 野村 幸治, 播磨 一雄, 佐高 万理男, 竹本 忠良
1982 年24 巻2 号 p.
330-335
発行日: 1982/02/26
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
われわれは,最近5カ月間に町田製作所製の新型広角大腸ファイバースコープFCS-L3を,71症例,84回の検査に用い,その有用性について検討した. 丹羽その他の報告にもあるように,大腸ファイバースコープは,挿入性の面からは,S状結腸では軟らかいスコープが,深部結腸では,やや硬いスコープが挿入性が高いとされており,また,被検者の苦痛の面からは,スコープの細いものほど苦痛を軽く検査できると考えられている.これらの面を,より満足できるものに近ずけようと製作されたのがこのスコープであり,視野角を広角にするとともに,先端から手元操作部にかけ管径と硬度が段階的に変えられており,先端は12.0mm手元部は13.5mmとなっている.この結果,挿入性も良好であり,苦痛度も少ないばかりでなく,さらに観察能記録性もすぐれたスコープとなった.しかし,太さと硬さの関係細く軟らかい部分の長さの関係について,今後とも検討の余地があると考えている.
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1982 年24 巻2 号 p.
336-339
発行日: 1982/02/26
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
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1982 年24 巻2 号 p.
339-340
発行日: 1982/02/26
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
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1982 年24 巻2 号 p.
341-367
発行日: 1982/02/26
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
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1982 年24 巻2 号 p.
368-374
発行日: 1982/02/26
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー
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1982 年24 巻2 号 p.
374-379
発行日: 1982/02/26
公開日: 2011/05/09
ジャーナル
フリー