日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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残胃穹隆部にみられたI型早期癌の1例
冬広 雄一曾和 融生加藤 保之樽谷 英二北村 輝夫高井 敏昭藤本 泰久吉川 和彦西脇 英樹中尾 昭治深水 昭三木 篤志松沢 博青木 豊明梅山 馨小林 絢三
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1982 年 24 巻 2 号 p. 282-290_1

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抄録
残胃穹隆部にみられたI型早期癌の1例を報告した.症例は56歳男性で,幽門部後壁のIIa+IIcの早期胃癌にて胃亜全摘を受け,術後3年目の残胃穹隆部にI型早期癌が発見され治癒切除し得た早期胃癌症例であった.一般に,残胃病変の観察はむつかしく,良性疾患術後の残胃癌においても進行癌として発見される場合が多く,残胃早期癌の報告は少ない.早期癌においては多発病変を伴う頻度が高い傾向にあることから,胃部分切除後の残胃の厳密な検索を行なうことの必要性を痛感し,特に内視鏡による観察の重要性を強調した.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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