抄録
Double pylorusは,かなり稀な疾患であるが,著者らは最近41歳男性の症例を経験し,内視鏡的に2年間にわたり,その経過を追求し得た.経過観察中,開口部の胃側,十二指腸側に,それぞれ潰瘍を認め,これらの潰瘍は,かなりの消長を示した.本症の発生要因としての潰瘍の意義を別にしても,この部位に潰瘍を認める事は臨床上重要な事と思われる.Double pylorusの診断及び合併する潰瘍の観察には,細径パンエンドスコープを用いての十二指腸球部内での反転観察が,十二腸側からの開口部の確認に有用であり,本症の診断にあたっては,必らず試みるべき方法であると思われた.著者らの報告を加えて,現在までの報告例93例について若干の検討を加えてみた.