日本消化器内視鏡学会雑誌
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消化管出血に対する緊急内視鏡と緊急血管撮影の併用について
森安 史典岡崎 和一兼松 雄象左野 明黒田 康正柏原 貞夫
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1982 年 24 巻 4 号 p. 570-577_1

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抄録
 重症消化管出血患者に対し,緊急内視鏡と緊急血管撮影を併用し,若干の知見を得たので報告する.20例の消化管出血患者に対し緊急血管撮影を行なったが,そのうち18例には直前に緊急内視鏡が施行され,13例に出血巣の確診が得られた.他は出血量が多く,胃出血とのみ診断出来た.緊急血管撮影では,造影剤の血管外漏出による動脈出血の確診は20例中10例に得られ,緊急内視鏡との併用では,20例中18例に確診が得られた.最終診断は,出血びらん3例,胃潰瘍4例,胃癌2例,静脈瘤破裂10例,結腸潰瘍1例であった.血管撮影を利用した止血術を全例に行ない,20例中17例,85%に止血可能であった.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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