日本消化器内視鏡学会雑誌
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ERCPによる新生児肝炎と先天性胆道閉鎖症の診断における小児用内視鏡の有用性
高橋 英世飯野 正敏神津 照雄中島 克己久賀 克也
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1982 年 24 巻 4 号 p. 627-634_1

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抄録
 過去6年半の間で,41症例の小児胆道疾患に対して,44回のERCPを試み,32例に成功した.当初は,成人用ファイバースコープJF-B2を使用したが,われわれの協同開発した,小児用スコープFGS-PE(町田製),及び,X-PJF(オリンパス光学製)の使用により,成功率は上昇し,最近の2年間は,生後1カ月の乳児を含めて,100%と良好である.乳児例は6例で,新生児肝炎3例(生後35日,72日,79日)には,膵管胆管の両管が造影され,一方,先天性胆道閉鎖症3例(生後46日,65日,80日)には,膵管だけ造影され,ERCPにより,鑑別診断が可能であった.小児用十二指腸ファイバースコープの開発により,長年の課題であった,新生児肝炎と,先天性胆道閉鎖症の鑑別診断に,ERCPの応用が,可能になった事を報告する.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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