日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
超音波内視鏡による胃病変の検討(第1報)―胃癌の深達度診断および早期胃癌へのレーザー照射後の効果判定のための基礎的検討―
相部 剛富士 匡山口 昌之大下 芳人衣川 皇博浅上 文雄天野 秀雄播磨 一雄有山 重美岡崎 幸紀竹本 忠良
著者情報
ジャーナル フリー

1984 年 26 巻 1 号 p. 39-48

詳細
抄録
 われわれは超音波内視鏡で胃壁の5層構造が描出されることをすでに報告した.本論文では,この胃壁の5層構造を基礎的実験をもとに組織学的に解明した.すなわち,第1層の高エコーおよび第2層の低エコーはともに粘膜層で,第3層の高エコーは粘膜下層,第4層の低エコーは筋層,第5層の高エコーは漿膜上皮であることを明らかにした.この結果,超音波内視鏡で胃癌深達度診断が可能となった.さらに,レーザー照射後の胃壁は,超音波内視鏡で高エコー領域として描出されることを基礎的実験にもとずいて明らかにした.また,超音波内視鏡で胃壁の層構造の変化を描出することによってレーザー照射によって光凝固された範囲および深さを確認できることがわかった.この結果,早期胃癌へのレーザー照射後の効果判定にも超音波内視鏡が有用となりうることを指摘した.
著者関連情報
© 社団法人日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top