1984 年 26 巻 10 号 p. 1700-1704_1
照診範囲の拡大を目的として,町田製作所によって新しく開発された細径腹腔鏡LA-1C-Aを臨床応用し,その有用性について報告した.本機は,径2.0mm,2.1mmと極めて細く,視野角も60°,90°と広角であり,光学系には1万本のglass fiberが使われている。 本機を使用することにより,以下の結論をえた。(1)小児,とくに乳幼児の腹腔鏡検査を安全かつ迅速に施行できた.(2)二方向よりの観察や肋間よりの観察等により,照診範囲が明らかに拡大された.(3)超音波腹腔鏡検査時における探触子の接触位置の同定が,正確かつ安全に施行でき,誘導スコープとしての利用価値が大であることを確認した。 以上より,細径腹腔LA-1C-Aは,腹腔鏡検査における1つの補助的診断機器として,極めて有用であると考えられた.