日本消化器内視鏡学会雑誌
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内視鏡的に虫体を摘出しえた回虫症の1例
廣内 幸雄宮野 義美楠本 茂夫山本 博晟西岡 新吾
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1984 年 26 巻 2 号 p. 261-265_1

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抄録
 症例は73歳・女性・心窩部痛・食思不振・悪心あり,精査のため昭和57年1月14日入院.入院時糞便検査で回虫卵を認めた.細径前方視型上部消化管ファイバースコープ(マチダFGI-SD)による内視鏡検査で,十二指腸乳頭開口部に,回虫が一部迷入し,運動しているのを認めた.観察中,回虫は乳頭開口部より脱出し,下行脚下方に移動した.再び内視鏡の近くに移動したところを,生検鉗子により摘出した.パモ酸ピランテルの投与で,さらに2匹の虫体が排泄された. 6月中旬より再び心窩部痛出現,糞便検査で虫卵陽性となり,胃・小腸透視で空腸上部に紐状の虫体影を認めた.パモ酸ピランテル再投与により,2匹の虫体が排泄された.内視鏡的逆行性胆管膵管造影検査(ERCP)で主膵管は軽度拡張し,体部膵管内に虫体屍体の一部を思わせる陰影欠損を認めた. 消化管内視鏡検査で,直接乳頭開口部での回虫の不全迷入状態を観察,摘出しえた興味ある症例と思われる.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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