日本消化器内視鏡学会雑誌
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食道血管腫の1例
星加 和徳長崎 貞臣宮島 宣夫内田 純一石原 健二木原 彊日下圭 圭
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1984 年 26 巻 8 号 p. 1309-1313_1

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抄録
 食道血管腫の1例を経験した.症例は33歳の女性で,昭和58年8月に左季肋部痛あり,近医受診し,上部消化器造影,内視鏡検査にて下部食道に血管性隆起性病変を指摘され,当科紹介となる.消化管造影にて,胸部下部食道の10cmにわたり隆起が認められ,その隆起は表面平滑な小隆起の集合よりなっていた.内視鏡検査では,門歯列より28cmから35cmにかけて右側から背側にわたる半周性の青色調の柔らかい小隆起の集合からなる隆起を認め,食道血管腫と診断した. なお,皮膚および他の消化管,腹部臓器には血管腫を認めなかった.食道血管腫は手術にて摘出され,大きさは7×5×1.2cm大で,組織像は海綿状血管腫であった. 本邦においては21例の報告がある.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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