抄録
内視鏡検査時,送水によってレンズ面を洗滌しているが,洗滌水を対物レンズ面より充分に除去できず,いわゆる水切れの悪さに悩ませられてきたため,われわれは水切れ改善を目的として送水方式に検討を加えた.送気送水ピストンを改造,送水操作時に先端ノズルより水と空気の混合気体が噴射されるようにした噴霧式送水法(44回)および在来式送水法(39回)をGTF-B3ないしGTF-S4による検査例について比較したところ水切れ不良による写真のBlurringの頻度は在来群の平均55%に対し噴霧群で平均36%と有意な減少(p<0.01)を示し,噴霧式送水は内視鏡的観察および内視鏡写真の質の向上に有用と考えられた.