日本消化器内視鏡学会雑誌
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ラツト虚血性大腸炎の内視鏡観察と粘膜血流の検討
塚田 英昭三宅 健夫酒井 正彦内野 治人
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1985 年 27 巻 2 号 p. 185-190_1

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抄録
 ラット下行結腸の辺縁動静脈を結紮し,実験的虚血性大腸炎を作成した.これらにヒト上部消化管用ファイバースコープを用いて経時的に詳細な内視鏡的観察をすると同時に,水素ガスクリアランス法を用い病変部粘膜血流の測定を行なった.非病変部粘膜では,ヒト大腸粘膜像と同様,明瞭な血管透見像が観察された.また,病変部粘膜では術直後より著明な粘膜浮腫が出現し,しだいに潰瘍形成が認められた.その後粘膜浮腫はすみやかに消失したが,潰瘍の消失には約4週を要した.術前のラット大腸粘膜血流は,脾わん曲部に高く肛門付近では低い傾向を示した.また術直後では,著明な血流減少を示したが,内視鏡的に粘膜浮腫の消失する1~2週間後には,かなりの血流回復が認められ,粘膜浮腫の存在は病変局所の還流障害に深く関係していると思われた.また本法は,他の実験的大腸病変の内視鏡検討にも有用と思われた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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