日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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小児上部消化管内視鏡検査例の検討
杉村 文昭加藤 公敏川村 典夫武藤 哲郎五島 知郎相沢 敏晴工藤 勲彦岩崎 有良松尾 裕本田 利男東 義治岡部 郁夫森田 建林 貴雄
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1985 年 27 巻 5 号 p. 706-712_1

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抄録
 過去13年9カ月間に,15歳未満の小児103例に対して,計142回の上部消化管内視鏡検査を施行した.9歳以下は原則として全身麻酔で施行し,機種について当初は成人用の側視式ファイバースコープGTF-A,JF-B2を使用していたが,昭和50年からはGIF-P2,GIF-P3の如き細径直視式ファイバースコープが多用されるようになった.性別では男55例,女48例,年齢別では0~2歳24例,3~5歳17例,6~8歳15例,9~11歳20例,12~14歳27例となっている.疾患別にみると異物例が20例と最も多く,次いで十二指腸潰瘍14例,食道静脈瘤11例等となっている.疾患と年齢の関係をみると,異物例は8歳以下が19例とほとんどを占め,十二指腸潰瘍は9歳以上が12例と年長児に多かった.以上の如く,小児上部消化管内視鏡検査は,小児上部消化管疾患の診断と治療に,非常に有用であると思われる.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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