日本消化器内視鏡学会雑誌
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27 巻, 5 号
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  • 松本 伸二, 吉本 英夫, 池田 靖洋, 田中 雅夫, 伊藤 英明
    1985 年 27 巻 5 号 p. 677-681
    発行日: 1985/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     われわれは,1975年1月にlong-tipped sphincterotomeを試作し,以後ESTに際し第一選択として使用してきた.今回はその成績をもとに,ESTの合併症とその対策につき検討した.胆管結石症368例(うち傍乳頭憩室を伴うもの120例)を検討の対象とし,ESTは365例(99.2%)に成功.結石除去率は342例(93.7%)であった.合併症は,出血9例・AOSC9例・急性膵炎7例・バスケット嵌頓2例・穿孔0.死亡例は2例(0.5%)であった.これら各合併症の検討により以下の結論を得た.(1)long-tipped sphincterotomeの使用により,憩室例にもESTは安全に行なえる.(2)切開時出血の有無に拘らず,出血ま後日起こることがあり,術後の屎潜血チェックは重要である.(3)EST後の結石嵌頓によるAOSCはエンドトキシンショックに移行しやすく,早急に内視鏡的緊急胆管減圧法を行なうべきである.(4)"precut"は高アミラーゼ血症・膵炎発生の頻度が高く,極力避けるべき手法である.
  • 井戸 健一, 寺田 友彦, 川本 智章, 堀口 正彦, 木村 健, 沖田 極, 福本 陽平, 名和 田浩, 竹本 忠良
    1985 年 27 巻 5 号 p. 682-687
    発行日: 1985/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    波長488nmのアルゴンレーザーと透過型ファイバー回折格子を組み合わせて,肝表面の病変計測用腹腔鏡の開発を目的とした基礎的な実験を行った.レーザー光をファイバー回折格子に入射して,得られた回折光を凸レンズで0.2mm間隔の平行光に直した径50μ のスポットは明るく鮮明であるため,腹腔鏡的な病変計測に応用できると思われた.本法は回折光を入射する45度側方から観察するため,高精度の2次元の計測が容易に可能であった.即ち,スポットのピッチを数えて0.2倍すれば大きさ(巾)が求められるし,観察された高さを√2万倍すれば真の高さが求められた.この回折光投影装置を外径10mmの腹腔鏡に組み込んだ計測用腹腔鏡を試作して,生体肝を観察したところ,通常光による明るい肝表面像のうえに明瞭な回折光のスポットを観察でき,且つ写真撮影にも成功した. 以上より,計測用レーザー腹腔鏡は従来の計測法に比して画期的な装置になりうると考えられた.
  • 服部 修三, 田中 良治, 糸島 達也, 浮田 実, 伊藤 俊雄, 北代 正大, 水谷 繁樹, 喜田 恵治, 長島 秀夫
    1985 年 27 巻 5 号 p. 688-694
    発行日: 1985/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    慢性肝炎の進展について腹腔鏡繰り返し例229例を用いて検討した.通常の生命表法では肝表面の番地分類法による200番地の慢性肝炎から300番地の慢性肝炎へ(I群)の50%進展年数は9 .8年で,3年進展率は26%,5年進展率では37%であった.300番地の慢性肝炎から400 ,500番地の肝硬変へ(II 群)の50%進展年数は5.7年で,3年および5年進展率は32,44%であった.Coxの重回帰型生命表法による検討では,他の因子の影響を除いた補正50%進展年数は,赤色紋理(+)群では1群2 .9年,II 群2.4年であり,斑紋(+)群でI群3.8年,II群3.7年,白色紋理(+)群で14年と15年以上であった.即ち慢性肝炎の進展に重要な腹腔鏡所見は強い促進因子として赤色紋理,斑紋が,逆に白色紋理は弱い進展因子であることが明らかになった.
  • 佐藤 邦夫, 狩野 敦, 折居 正之, 菅井 俊, 加藤 浩平, 佐藤 公也, 加藤 博己, 加藤 智恵子, 佐藤 俊一, 谷口 繁, 増山 ...
    1985 年 27 巻 5 号 p. 695-705_1
    発行日: 1985/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    当科およびその関連施設で最近10年間に経験:した上部消化管異物41例中,内視鏡的摘出術が適応と判断された28例に同法を適用し,カミソリ,義歯,針金,歯科用リーマー,PTP内服薬など25例(89.3%)の摘出に成功した.他は非内視鏡的に摘出ないし自然排出され,外科手術を要したものはボールペン嚥下例と腸内伏針の2例であった.これら自験例の分析を基に,上部消化管異物を内視鏡的摘出の観点から3群に分類した.すなわち比較的小さくて丸くかつ辺縁の鈍なものをI群,針状異物あるいは鋭端を有する不定形異物をII群,細くて長い異物をIII群とし,さらにそれぞれをa,bの2亜群に細分した.自験例で考案,採用したカプセル法,バルーン法などに加えて,文献的にフード法,オーバーチューブ法,カブ法,バッグ法など特殊な摘出法を紹介し,従来内科的には摘出困難とされていた異物に対しても,内視鏡的摘出の可能性のあることを示唆した.
  • 杉村 文昭, 加藤 公敏, 川村 典夫, 武藤 哲郎, 五島 知郎, 相沢 敏晴, 工藤 勲彦, 岩崎 有良, 松尾 裕, 本田 利男, 東 ...
    1985 年 27 巻 5 号 p. 706-712_1
    発行日: 1985/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
     過去13年9カ月間に,15歳未満の小児103例に対して,計142回の上部消化管内視鏡検査を施行した.9歳以下は原則として全身麻酔で施行し,機種について当初は成人用の側視式ファイバースコープGTF-A,JF-B2を使用していたが,昭和50年からはGIF-P2,GIF-P3の如き細径直視式ファイバースコープが多用されるようになった.性別では男55例,女48例,年齢別では0~2歳24例,3~5歳17例,6~8歳15例,9~11歳20例,12~14歳27例となっている.疾患別にみると異物例が20例と最も多く,次いで十二指腸潰瘍14例,食道静脈瘤11例等となっている.疾患と年齢の関係をみると,異物例は8歳以下が19例とほとんどを占め,十二指腸潰瘍は9歳以上が12例と年長児に多かった.以上の如く,小児上部消化管内視鏡検査は,小児上部消化管疾患の診断と治療に,非常に有用であると思われる.
  • 郡 大裕, 鈴木 邦夫, 加藤 卓次, 藤木 典生, 三崎 文夫, 川井 啓市
    1985 年 27 巻 5 号 p. 715-725_1
    発行日: 1985/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    愁訴がなく胃内に局在性病変を有しない一般健康住民176人を対象に,4点生検を加味した内視鏡的Methylene blue染色法を施行し胃粘膜変化について検討した.腺境界は加齢と共にopen typeが増加する傾向を認めたが60歳代ではCoが35.7%を占めた.腸上皮化生の出現頻度は加齢と共に増加する傾向を認めたが,60歳代では非化生例が35.7%を占めた. その後,同一例について2年間経過観察を50例,4年間経過観察を32例施行した.腺境界の変化は2年経過例で20.0%,4年経過例で28.1%に認め,変化例は30歳代および60歳代に多かった.腸上皮化生粘膜の分布領域,分布状態の変化は2年経過例で20.0%,4年経過例で37.5%に認めた.変化例の年代別の差はあまり認めなかった.非化生胃に化生粘膜が新たに出現した例を7例認め,前庭部小彎側に多く,散在性で陥凹型が多く,50歳代に多かった.経過観察例をまとめると,2年経過例で36.0%,4年経過例で53.1%に胃粘膜変化を認めた. 慢性胃炎の発生,進展には多くの因子が関与していると思われ,個人差が大きい.胃癌との関連性を検討するうえでも,今後多施設での集積検討が必要である.
  • 富永 静男, 上野 恒太郎, 斉藤 秀樹, 鈴木 利宏, 石川 誠
    1985 年 27 巻 5 号 p. 726-737_1
    発行日: 1985/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    臓器反射スペクトル分析装置TS-200による胃粘膜血流測定値の信頼性を犬を用いて実験的に検討し,次いで臨床的に内視鏡下で測定する場合の問題点を検討した.粘膜ヘモグロビン量の測定は,オプチカルファイバー束先端の全面が粘膜面に正しく接触を保った状態で実験的に測定した場合には,再現性のある安定した成績が得られ,エピネフリンの静注による粘膜血流の動きをよく反映したので,粘膜血流の部位による多少の対比あるいは経時的増減の測定に有用と考えられた.臨床で内視鏡下に測定する場合は,動きがあるため至適測定距離を保ちながら測定することは難しく,測定値も不安定であった.より再現性のある測定成績を得るためには,オプチカルファイバー束先端に接触センサーを取り付けたり,内臓コンピューターに適切なスペクトル波形を選択させるなどの装備が必要と思われた.前処置としての臭化ブトロピウムの筋注は測定成績に影響しなかったが,内視鏡の照射光と送気量は測定値に影響を与えるので注意を要する.
  • 細川 治, 白崎 功, 山道 昇
    1985 年 27 巻 5 号 p. 738-742_1
    発行日: 1985/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    内視鏡的に切除し得た食道脂肪腫を報告する.患者は43歳,男性,3年9カ月前に胸やけを主訴にして来院し,食道透視,内視鏡により上部胸部食道に半球状の粘膜下腫瘍を見出した.その後経過観察したところ,体積比で約2.5倍の大きさに増大したため,内視鏡的切除を試みた.高張Naエピネフリン液を粘膜下層に注入し,高周波電流で切除した.腫瘤の大きさは2.1×1.2×1.2cmで,組織学的には粘膜下脂肪腫であった.食道脂肪腫の内視鏡的切除例は国内報告第2例目であり,半球状の粘膜下腫瘍でも高張Naエピネフリンの注入により内視鏡的切除を安全に施行することが可能であった.
  • 加藤 修, 三木 芳夫, 越川 裕二, 林 隆一, 野本 和孝, 服部 和彦
    1985 年 27 巻 5 号 p. 745-749_1
    発行日: 1985/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    胃結核は稀な疾患で,本邦において内視鏡下生検にて診断し得たとする論文報告は,未だ13例を数えるに過ぎない.著者らは,内視鏡下生検にて類上皮細胞肉芽腫,ラングハンス巨細胞のみならず,明瞭な乾酪壊死巣が得られた潰瘍型の孤立性胃結核を経験した. 患者は51歳の女性で主訴は軽度の心窩部痛.近医にて上部消化管透視の結果,異常を指摘され当科受診.内視鏡検査にて胃角から前庭部にかけ不整形の小潰瘍の多発と浮腫状粘膜を認め,胃の特異的炎症性疾患もしくは急性多発性潰瘍と診断したが,生検にて類上皮細胞肉芽腫とラングハンス巨細胞が証明されたため胃結核を強く疑い,streptomycin(SM),isonicotinic acid hydrazid(INAH),rifampicin(RFP)の3者併用療法を施行.治療1カ月後の内視鏡検査にて,病変の治癒傾向を認めず,更に生検にて明瞭な乾酪壊死巣が証明されたため結核と確診.SM1gの内視鏡下局注療法を8回施行し,ほぼ治癒せしめ得たので,胃結核の診断基準,治療法などにつき検討を試み報告する.
  • 吉村 平, 志田 幸雄
    1985 年 27 巻 5 号 p. 750-754_1
    発行日: 1985/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    父親例は,74歳男性で吐血を来たし入院となり,上部消化管透視および内視鏡検査で十二指腸球部に15mm大の孤立性隆起病変がみとめられた.子供例は,43歳男性で,心窩部痛を訴え来院し,上部消化管透視および内視鏡検査により十二指腸球部に多発する小隆起病変がみとめられた.両者ともに,病変部よりの生検標本にて,主細胞,壁細胞よりなる胃底腺粘膜がみられ,十二指腸異所性胃粘膜と診断された. 十二指腸異所性胃粘膜は,消化管内視鏡の発達,普及とともに,肉眼的に隆起性病変として発見され,生検標本により診断されるようになってきている.いまだに同一家族内の発生はみられず,本例が父子例としては最初の報告である.
  • 大川 博之, 本宮 哲也, 加藤 久美子, 勝又 伴栄, 岡部 治弥, 金田 悟郎, 大谷 剛正, 高橋 俊毅, 小泉 和三郎, 中 英男
    1985 年 27 巻 5 号 p. 755-763
    発行日: 1985/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    患者は40歳,男.1976年より粘血便を認め1980年某大学病院にて潰瘍性大腸炎と診断されステロイド剤の投与を受けたが,1983年6月急性増悪のため本院へ入院.入院後内科的治療に抵抗し,大出血およびイレウス症状を認めた.腹部所見およびX線検査にてtoxic megacolonと診断し,外科的治療が施行された.術中所見では全結腸に強い炎症と拡張,壁の菲薄化が著明で肝彎曲の穿孔部にhematomaの形成を認めた.toxic megacolonの本邦手術例13例について検討した.全大腸炎型が92%,好発部位は横行結腸で100%,その最大径は4~14cmの範囲であった.手術例の死亡率は31%で,穿孔例では50%と高率であった.toxic megacolonは重篤な病態のため,早期診断および早期治療が望ましい.
  • 佐藤 達之, 大石 享, 丸山 恭平, 依岡 省三, 福田 新一郎, 児玉 正, 加嶋 敬, 瀧野 辰郎, 吉田 幸雄
    1985 年 27 巻 5 号 p. 764-767_1
    発行日: 1985/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    患者は47歳,男性.海外渡航歴はない.昭和58年8月,テネスムス,血便を主訴に当科受診し,注腸造影検査で直腸辺縁にバリウムの付着性異常,S状結腸にいわゆるタコイボ状陰影の多発が認められた.大腸内視鏡検査では直腸より下行結腸下部に,周囲に軽い盛り上がり及び紅暈を有する黄色調の白苔の多発が観察された.また下行結腸脾彎曲部から横行結腸,上行結腸にかけ,孤立性のやや深堀れの潰瘍を数個認めたが,潰瘍周辺の粘膜はほぼ正常であった.白苔及び潰瘍辺縁より行なった生検組織中に赤痢アメーバ原虫を認め,アメーバ性大腸炎と確診した.
  • 嶋倉 勝秀, 白井 忠, 山口 孝太郎, 仲間 秀典, 赤松 泰次, 中村 喜行, 松田 至晃, 坂戸 政彦, 滋野 俊, 古田 精市, 上 ...
    1985 年 27 巻 5 号 p. 768-777
    発行日: 1985/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
    ERCP,EPTの開発普及から既に10年以上が経過し,ERCPは診断から治療Therapeutic ERCP(TERCP)へと発展している.そこで今回は当科におけるERCPおよびT-ERCPの施行状況につき報告する.1983年5月から1984年7月までに施行したERCPは434例,598回であり,うち116例(26.7%),218回(36.5%)がT-ERCPであった.EPT施行症例は96例で,うち68例(70.8%)はERBD,ENBDの前処置としての施行例で,前処置としてのEPTの必要性が増加していた.減黄を必要とした閉塞性黄疸症例は85例で,うち8例は結石によるもので全例EBDが可能であった.77例は悪性疾患によるもので,うち12例(15.6%)は種々の理由でEBD不適応とされ,65例中53例(81.5%)にEBDが可能であった.全閉塞性黄疸症例85例中65例(76.5%)はEBD可能と推定された.合併症としてEPTによる出血,穿孔,4例,ERCP後の膵炎を1例認めた.ERCP,T-ERCP施行に際しては常に合併症の発生に注意して慎重に行う必要がある.
  • 平塚 秀雄
    1985 年 27 巻 5 号 p. 778-779
    発行日: 1985/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 竹本 忠良
    1985 年 27 巻 5 号 p. 780-782
    発行日: 1985/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • I. Hirschowitz
    1985 年 27 巻 5 号 p. 783-787
    発行日: 1985/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 平塚 秀雄
    1985 年 27 巻 5 号 p. 788-792
    発行日: 1985/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 崎田 隆夫
    1985 年 27 巻 5 号 p. 793-803
    発行日: 1985/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 高木 國夫
    1985 年 27 巻 5 号 p. 804-805
    発行日: 1985/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1985 年 27 巻 5 号 p. 806-831
    発行日: 1985/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1985 年 27 巻 5 号 p. 832-848
    発行日: 1985/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1985 年 27 巻 5 号 p. 849-865
    発行日: 1985/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1985 年 27 巻 5 号 p. 866-877
    発行日: 1985/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
  • 1985 年 27 巻 5 号 p. 878-890
    発行日: 1985/05/20
    公開日: 2011/05/09
    ジャーナル フリー
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