日本消化器内視鏡学会雑誌
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微小胃癌および小胃癌の臨床病理学的研究―形態分類を中心にして―
小沢 洋中澤 三郎芳野 純治
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1985 年 27 巻 8 号 p. 1523-1537

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抄録
 長径5mm以下の微小胃癌34病巣,長径6mmから10mmの小胃癌65病巣につき形態的に分類し病理学的および臨床的に検討した.形態的特徴により陥凹型では微小陥凹型,悪性びらん型,中間型,IIc型の4型に,隆起型では中心陥凹型,平滑隆起型,不整隆起型の3型に分類された.陥凹型微小・小胃癌では4型ともいずれの組織型も呈し,いかなる背景粘膜下にも認められた.陥凹型微小胃癌は微小陥凹型,悪性びらん型のみにみられ,全例とも深達度mであった.陥凹型小胃癌では悪性びらん型,中間型,IIc型を呈し,深達度sm以下の病巣もあった.隆起型微小・小胃癌は3型ともすべて管状腺癌で深達度mであり,背景粘膜には腸上皮化生,萎縮性胃炎が認められた.悪性びらん型および中間型には病巣周囲の隆起がみられ,その成分として粘膜層の深層での癌細胞の圧排や固有胃腺や腺窩上皮の増生が重要と考えられた.
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