日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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非A・非B型肝炎の腹腔鏡所見
―赤色紋理を中心とした検討―
島田 宜浩市田 隆文長谷部 千登美関谷 千尋渡辺 俊明市田 文弘平川 弘泰小松 真史山本 真由美為田 靱彦小西 知己松田 彰史江草 國之井手 武朗紺田 健彦西内 明子進士 義剛浮田 実田中 良治
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1985 年 27 巻 8 号 p. 1569-1579

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抄録
 非A・非B型肝炎の肝表面像には,B型とやや異なった形状を持った赤色紋理(RM)が存在するとの報告がある.これらの実態を明らかにする目的で,腹腔鏡検査で観察されるRMについて,発生部位からperiportal (pp) RM, centrilobular (cl) RM, multilobular (ml) RMに3分画し,さらに修飾因子として色調(hemorrhagic fleck-like, common redness, indistinct)と分布状況(dense, sparse, localized)を加味する亜分類法を作製し,検討した.その結果,急性肝炎では,B型,非A・非B型ともに,約10%のRM出現率を認めたが,これらRMの性状から,遷延または慢性化例に特有な成績は発見できなかった.ところが慢性肝炎では,B型はdense common reddish pp RMが基本型であるのに反して,非A・非B型ではsparse pp RMとlocalized hemorrhagic fleck-like ml RMの2型が存在し,それぞれ異なった形態学的特徴を示すことが推定された.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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