日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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慢性膵炎における胆管狭窄の臨床的意義
若林 時夫沢武 紀雄尾崎 監治米島 正広登谷 大修竹森 康広米島 学木谷 恒北川 浩文高橋 洋一牧野 博服部 信杉岡 五郎広瀬 昭一郎
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1986 年 28 巻 1 号 p. 97-103

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抄録
胆管像のえられた慢性膵炎102例中膵部総胆管狭窄が39例(38%)にみられ,その膵管像,膵内外分泌能の成績を非狭窄群と比較し,慢性膵炎における胆管狭窄の臨床的意義を検討した.一般に,狭窄群は非狭窄群に比して,膵内外分泌能の低下している場合が多かった.また,膵管造影上高度な異常を有するもの程,総胆管狭窄のみられる頻度が高かった.一方,膵管像のみでは高度膵炎と診断しえない44例中15例にも胆管狭窄がみられ,これらも非狭窄群に比して,膵内外分泌能の低下している頻度が高かった.この様に,膵管像のみの判定では膵病変の程度を過小評価する場合が少なからずあり,この様な場合は胆管狭窄の有無を把握することが特に重要であろう.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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