日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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ISSN-L : 0387-1207
Antibiotic associated colitisの内視鏡的4病型
―その臨床像と治癒過程
金子 正幸中島 俊雄多田 久人鈴木 豊鈴木 利宏升川 浩高橋 恒男上野 恒太郎石川 誠
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1986 年 28 巻 3 号 p. 531-541

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抄録

 抗生物質起因性腸炎49例を内視鏡所見によって4群に分類し,臨床像を比較検討するとともに,28例については色素散布法及び拡大観察法によりそれぞれの治癒過程を観察した. 49例の内訳は偽膜性大腸炎(PMC)18例,急性出血性大腸炎(AHC)15例,アフタ様大腸炎(APC)13例,分類不能3例であった.平均年齢はPMC63.6歳,AHC38.2歳,APC54.7歳,男女比はPMC1:5,AHC1:0.9,APC1:3.3であり,病悩期間はPMC28.7日,AHC15.5日,APC20.6日であった.PMCとAPCは多剤非経口投与例が多く,AHCはPC系の単独経口投与例が多かった.治癒過程では,PMCは点状陥凹を残し,腺窩の大小不同や配列の乱れた部位がみられたが,AHCは瘢痕を残さず,APCはタコイボ様病変が漸次平低化し,点状陥凹を残して治癒した.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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