日本消化器内視鏡学会雑誌
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ISSN-L : 0387-1207
Cancer Family Syndromeの一家系
五十嵐 潔島 仁千葉 満郎大高 道郎太田 弘昌吉田 司長崎 明男荒川 弘道正宗 研成沢 富雄丹羽 誠上坂 佳敬
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1986 年 28 巻 3 号 p. 632-641

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抄録

 一家系に6名の大腸癌,1名の子宮内膜癌がみられたcancer family syndromeを報告した. 発端者は44歳女性,上行結腸癌および多発性大腸ポリープのため右半結腸切除術および内視鏡的ポリープ摘除術を受け,5個の同時性多発大腸癌が見出された.術後,比較的短期間に残存する大腸に腺腫が多発した. 発端者の祖父に大腸癌,発端者の父に異時性多発大腸癌と尿管癌との重複癌がみられた.また,叔母2人に大腸癌,別の叔母1人に子宮内膜癌,弟に大腸癌がみられた. これらの大腸癌11病変中6病変は右側結腸,5病変は左側結腸にあった.また,大腸癌は通常みられる大腸癌より明らかに低年齢で発症し,世代を経る毎に若年化した.従って,このcancer family syndromeの子孫にとって,綿密に計画されたスクリーニングが肝要である.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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