日本消化器内視鏡学会雑誌
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小腸内視鏡生検にて確診しえた空腸癌の2例
星加 和徳萱嶋 英三小塚 一史長崎 貞臣藤村 宜憲宮島 宣夫島居 忠良加納 俊彦内田 純一木原 彊
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1986 年 28 巻 3 号 p. 642-647_1

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抄録

 術前に小腸内視鏡検査および生検にて確診しえた空腸癌の2例を経験した.症例1は,50歳男性で主訴は上腹部膨満感であった.小腸造影にて,Treiz靱帯より25cm肛側の空腸に約4cmにわたる全周性の不整な狭窄を認め,内視鏡検査にても,同部に不整な粘膜よりなる全周性の狭窄を認め空腸癌と診断,生検にて腺癌を確診した.切除標本では,腫瘍は4.5cmにわたり全周を占め不整な潰瘍を形成しており,漿膜浸潤,癌性腹膜炎を伴っていた.症例2は,72歳男性で主訴は腹部膨満感であった.小腸造影にては,Treiz靱帯より25cm肛側の空腸に全周性の不整な狭窄を認め,内視鏡検査にても不整な粘膜よりなる全周性の狭窄を認め空腸癌と診断し,生検にて腺癌を確診した.切除標本では,腫瘍は6.2×4.1cm大でほぼ全周性で不整な潰瘍を形成し,周辺の脂肪織まで浸潤していたが,リンパ節転移は認めなかった.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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