日本消化器内視鏡学会雑誌
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内視鏡的食道静脈瘤硬化療法後の出血に関する検討
― Kaplan-Meier法およびNelsonの累積ハザードプロット法による解析―
辻 晋吾川野 淳佐藤 信紘房本 英之鎌田 武信野口 正彦平松 紘一
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1986 年 28 巻 4 号 p. 723-728

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抄録
 食道静脈瘤の内視鏡的硬化療法後の出血率と経過時間との関係を,Kaplan & Meierの累積出血率およびNelsonの累積ハザード値を用いて検討した.その結果,累積出血率は術後約10日を境として2相性を示し,出血率の高いearly phaseとゆるやかな直線的な増加を示すlate phaseにわかれた.累積ハザード値はearly phaseでは高値をしめしたが,late phaseでは指数時間分布に一致する傾向を示した.この成績より,early phaseにおける出血に対して,食道静脈瘤内視鏡的硬化療法の方法自体の改善が必要であり,またlate phaseの出血率低下には内視鏡的硬化療法の反復などが必要であることが示唆された.食道静脈瘤の内視鏡的硬化療法後の出血に対する累積出血率と累積ハザード値の解析は治療効果の客観的評価法として有効な手段であると考えられた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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