日本消化器内視鏡学会雑誌
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Cronkhite-Canada症候群3例の臨床検討
広瀬 はるみ黒川 きみえ丸山 正隆横山 聡橋本 洋光永 篤伊藤 弥生足立 ヒトミ大田 由己子屋代 庫人長廻 紘渡辺 英伸磯部 さく子中西 照子小幡 裕
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1987 年 29 巻 10 号 p. 2253-2262_1

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抄録
症例は71歳男性.下血を主訴に当科受診し,消化管ポリポージスを発見された.栄養管理開始後に下痢が発現し,その後急速にいわゆる外胚葉系変化の増悪をみた.この症例と1981年以来経過観察中のCronkhite-Canada症候群の2例とあわせて臨床像,治療経過を比較検討した.(1)初発症状は味覚低下,食欲不振であった.(2)本症ではポリポージスが外胚葉系変化に先行すると考えられた.(3)経過観察を始めてから病状は進行性で,栄養管理のみで若干の軽快を示した例もあるが,著明な改善にはステロイドが必要で全例に有効であった.(4)ステロイド開始後11カ月目に投与を中止した例では中止後3カ月目にポリポージスの再燃をみており,再発予防には長期投与が必要と思われた.(5)1例に胃癌の合併があり,2例で大腸に腺腫の組織所見がみられるなど,癌病変に対する追求が望まれる.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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