日本消化器内視鏡学会雑誌
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治療により特異な腹部エコー及び腹腔鏡所見の改善したWilson病の1例
大西 真青山 弘白滝 博通石川 隆松橋 信行森山 貴志油谷 浩幸井廻 道夫高久 史麿
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1987 年 29 巻 12 号 p. 3115-3121

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抄録
D-ペニシラミンの治療により,特異な腹部エコー及び腹腔鏡所見の改善したWilson病の1例を報告する.症例は34歳男性で,神経症状を呈したが,治療により改善した.治療前,multipleにhyper-echoic及びlow-echoicなSOL(space occupying lesion)が散在する,特異な肝のエコー像を呈したが,治療後消失した.腹腔鏡像では,治療前は暗褐色及び黄色調の強い結節が混在する肝硬変の所見を呈したが,治療後色調は減じた.肝組織所見では,治療前銅及び脂肪の沈着が顕著かつむらがあったが,治療後銅及び脂肪沈着は著減しむらがなくなった.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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