日本消化器内視鏡学会雑誌
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悪性閉塞性黄疸例における7.2 Fr pig tail tubeによるENBDの経験
中津 敏明相引 利行内田 善仁香川 博幸中尾 浩久渡辺 精四郎西岡 幹夫富士 匡竹本 忠良
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1987 年 29 巻 2 号 p. 341-346

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抄録

肝門部癌の症例を含む悪性閉塞性黄疸7症例に対し,ガイドワイヤーを使用した7.2Fr pig tail tubeによるENBDを試み,5例に成功した.成功例のENBD施行前の血清総ビリルビン値は平均22.8±4.4mg/dlと高値であった.失敗した2例はともに肝門部癌の症例であった.ENBDの減黄効果は良好で,PTCDと比較して遜色がなかった.合併症として,EPTによる軽症の膵炎1例を経験したが,重篤なものはなかった.また,経過中に,チューブの脱落や目づまりをおこした症例も認めなかった. 以上より7.2FrpigtailtubeによるENBDは,これまでの5Frtubeでは施行できない高度黄疸例にも有効で安全な減黄法と考えられる.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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