抄録
除草剤パラコートによる生体の消化管病変を明らかにするため,パラコート中毒患者7例に対し,中毒早期より内視鏡検査を施行し,その内視鏡像および臨床経過より以下の結論を得た. 1.パラコートによる上部消化管病変は主に表層性の炎症,びらん,潰瘍を呈する. 2.障害は食道,胃体上部に多くみられ,十二指腸では少ない.特に食道病変は全例にみられ,しかも障害の程度は食道の下部にいくほど高度である. 3.病変の治癒は比較的速やかである. 4.消化管病変発生機序として,パラコートイオンによる消化管粘膜への直接の腐蝕作用が考えられる.