日本消化器内視鏡学会雑誌
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胃梅毒の1例
大城 宏之横山 泰久横山 功近藤 建菊池 学
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1987 年 29 巻 9 号 p. 2052-2055_1

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抄録

症例は37歳男性.食欲不振,心窩部痛,嘔吐を主訴として来院.胃内視鏡検査にて胃角から前庭部にかけて白苔に覆われた不整形のびらんが多発しており,胃生検の組織学的検索では粘膜に強いリンパ球の浸潤を認めた.胃X線検査にて胃角の〓開および前庭部の狭窄像あり,圧迫像で粗大顆粒状変化があった.血清梅毒反応強陽性と,X線・内視鏡像,胃生検の結果より胃梅毒を疑い,診断的治療の目的でエリスロマイシン投与を行い4週間後内視鏡で再検したところ,びらん潰瘍性病変は著明に改善し,軽度のびらんを残すのみとなった. 胃梅毒を駆梅療法にて完治せしめた1例を経験したので報告する.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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