日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
噴門と幽門の形態と機能に関する内視鏡的検討(第2報)
―噴門と幽門の関連性について―
松久 威史
著者情報
ジャーナル フリー

1988 年 30 巻 1 号 p. 14-25

詳細
抄録
まず,噴門と幽門の内視鏡的形態を検討した.胃内視鏡の反転法により観察される噴門形態を7型に分類し,一方,幽門形態は6型に分けて観察した. トランスジューサー法により内視鏡的に測定した前庭部と十二指腸球部の内圧には有意差はなかったが,幽門の閉じたPI型,それの開閉しているPII型の幽門輪圧はセクレチンの静注により上昇した. 同一症例における4mmと16mmフィルムを用いた噴門形態,幽門形態の比較,内視鏡フィルム上と内視鏡直視下の噴門形態,幽門形態の比較では,いずれも形態上大きな相違はみられなかった.一方,噴門形態と幽門形態を同一症例について対比すると,これらの開大,閉鎖傾向には相関関係が得られた. なお,対照群,胃潰瘍群,十二指腸潰瘍群の血中ガストリン,セクレチン値と年齢,噴門各型との関連性はみられなかった.
著者関連情報
© 社団法人日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top