日本消化器内視鏡学会雑誌
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噴門と幽門の形態と機能に関する内視鏡的検討(第1報)
―噴門について―
松久 威史
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1988 年 30 巻 1 号 p. 3-13

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抄録
胃内視鏡の反転法により観察される噴門形態を7型に分類し,観察に使用した. トランスジューサー法により内視鏡的に測定した下部食道静止圧,残留胃内圧,下部食道括約部圧は,年齢との間に負の相関を示した.これらの測定値は噴門の閉じたCI,CII型に比し,噴門の開大傾向にあるCVI,CV,CVI型あるいはCVII型(食道裂孔ヘルニア)において低かった.また,食道胃粘膜接合部において誘導した筋電図の蠕動波高と年齢との間には負の相関がみられた.コンゴー・レッドを用いた色素撒布法では,40歳以上に開放型が多く,CIV,CV,CVI型の増加傾向と類似していた.なお,対照群の中部・下部食道,食道胃粘膜接合部の水素イオン濃度と年齢との間には軽い負の相関があった.これらの測定値を噴門形態別にみると,CI,CII型,CIV,CVI型に比しCVII型において低値を示した.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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